JRA中央競馬情報 浜中騎手の絶妙な逃げが後続の脚を止めた/NHKマイルカップ

浜中騎手の絶妙な逃げが後続の脚を止めた/NHKマイルカップ

【5月11日 東京11R NHKマイルC】

 スタートから快速を飛ばし、早々に相手をKOする。ミッキーアイル本来の姿ではなかったが、浜中騎手の絶妙な逃げが、まるでボクシングのボディーブローのように後続の脚を止めた。

 1完歩目こそホウライアキコ、ダンツキャンサーに劣ったが、そこからの加速が理想的だった。無理に仕掛けてはいかず、かといってスローにも落とさず。前半3ハロン34秒6は、9R湘南S(1600万、同34秒8)とほぼ同じ。後続を2馬身差に引きつけることで、2番手以降も自分のペースに誘い込んだ。

 さらに残り1000メートルからは1ハロンごとに0秒2、0秒5と少しずつラップを上げていく。一気にペースを上げれば、初めて味わう長い直線でミッキーアイル自身が止まる恐れがある。いつものように4角で勝負を決めにいくのではなく、小出しにしてついてきた後続の体力を徐々に消耗させる。決定打ではなく有効打。これが後々になって効いた。

 ラスト2ハロンは11秒5、12秒0。ゴール前は失速気味でもつかまらなかったのは、平均より速い流れの中で「タメ」が作れたから。自身の脚を残し、ライバルの決め手を奪う。前後半の4ハロンは、ともに46秒6。一見、地味な内容にも映るが、普段の「速さ」とは違う「強さ」を感じさせた。

 これまでのレースぶりから見れば「判定勝ち」のような戦い方だが、実はこれには理由がある。初めての東京コース、左回りで、道中は物見しながら走っていた。その分、リラックスできたともいえるが、無理にいつものスタイルに持ち込むのではなく、馬の走りに合わせた騎乗が、新たな一面を引き出した。

 とはいえ、直線も内馬場に2基あるターフビジョンを見て、外へ張るような格好で何度かフラついた。浜中騎手の右ムチが激しく飛んだのも、バテているからではなく、真っすぐ走らせるため。並の馬なら差し切られていただろう。そんな状況でも押し切ったところに価値がある。

 2着タガノブルグとは首差でも実際にはもっと大きな開きがあった。遊びながら勝ったことで、より強さが浮き彫りになった。